ハンガリー語ゼロ、英語中3レベルの元会社員主婦が、ハンガリーに住んだらどうなるのでしょうか。
このたび娘(4歳)がブダペストの病院に入院しました。2泊3日の入院のみで無事退院できたのですが、日本と色々違って戸惑いましたので、皆さまにその様子をレポートします。
入院までの経緯
土曜の昼に、娘の顔に湿疹ができている事に気づきました。ただ、その時は本人の機嫌が良かったこともあり、そんなに気に留めていませんでした。夕方、背中に広範囲にわたって蕁麻疹が出ていて、これは異常だと察知。夫の会社と契約しているハンガリー人の通訳兼看護師に連絡+かかりつけ医とも連携したところ、すぐに小児家庭医当直所を受診するよう指示されました。
ハンガリーでは居住地区によって受診する小児家庭医当直所が異なります。私たちは聖ヤノーシュ病院に向かうことに。
聖ヤノーシュ病院基本情報
名称 :Szent János Kórház Gyermek Sebészeti Osztály(聖ヤノーシュ病院 小児科)
住所 :Budapest, Diós árok 1, 1125
アクセス:路面電車 Szent János Kórház駅 から徒歩5分
駐車場 :あり(敷地内の空いている場所に駐車する。150分150Ft)
診療対象:1区、2区、11区、12区、22区の住民
予約 :不要
診察時の持ち物:(必須)パスポート、住所カード※1、滞在許可証、マスク、現金※2
(任意)ハンガリー公的保険加入の場合は保険証、母子手帳、普段飲んでいる薬
※1 住所カード(Lakcímkártya)または移民局で受け取る白い厚紙(Accomodation reporting form)
※2 クレジットカード払い可能ですが、夜間だと使えない時もあるようですので、現金持参をお勧めします。
地図を見てわかるように、広大な敷地に建物がいくつもあります。
車でお越しの際は、ゲートを通って目的の建物の近くに駐車します。駐車料金は敷地内の料金所一か所でしか支払いできませんのでご注意を。
まず、病院に着いたら診察してほしいということを病院のスタッフに伝えます。(病院の受付窓口みたいなものは特にないです。)その後は病院スタッフの指示に従ってください。
娘の場合は、20分ほど待って診察をしてもらえました。
診察後、投薬と経過観察が必要とのことで、1泊(結果的には2泊になりましたが)入院することになりました。
ほかの地区の小児家庭医当直所
参考までに、ほかの地区にお住いの方向けに、小児家庭医当直所の情報も掲載しておきます。
3,5,6,7,8,14区在住者
Révész utcai gyermekorvosi ügyelet
住所:Budapest, Révész u. 10, 1138
診療時間:平日夜8時~朝8時 休日24時間営業
8,10,15,17,18,19,20,23区在住者
Országos Gyermekgyógyászati Intézet(Heim Pál Children’s Hospital)
住所:Budapest, Üllői út 86, 1089
診療時間:24時間営業
入院時に必要な持ち物(最低限)
- パスポート
- 滞在許可証
- 住所カード(またはAccomodation reporting form)
- ハンガリー公的保険加入の場合は保険証
- 現金、クレジットカード
マスク(病院内はマスク着用義務あり)- トイレットペーパー
- ティッシュ
- 食料品(付き添いの人の食事は出ません。冷蔵庫はないので、常温保存できるもの)
- フォーク、スプーンなどのカトラリー
- コップ
- 水
- 着替え、パジャマ
- 歯ブラシ、歯磨き粉
- タオル
- スリッパやサンダル(あると便利)
- 洗顔料 シャワーする場合はシャンプー、石鹸、ドライヤー
- スマホ、充電器
日本では当たり前にあるようなトイレットペーパー。ハンガリーの病院は聖ヤノーシュ病院に限らず、備え付けられていないことが多いようです。
食事は、聖ヤノーシュ病院の場合、入院患者のみの提供でした。病院の敷地内に食堂がありますが、医師の回診などに対応するため、食事は持参したほうが良いです。
上記のもののほかに、子どもの年齢に合わせておむつ、おもちゃなどの暇つぶしグッズ、季節によってはうちわや予備の毛布などがあるとよいですね。
※2023/4/1で病院内でのマスク着用義務は無くなりました。
快適とは程遠い入院生活
娘の部屋は2人部屋でしたが、私たちしかいなかったので、個室感覚で使えたのはよかったです。4人部屋もありました。
シャワールームと洗面台があったので、気軽に手洗いできるのもよかったです。
トイレ付や、沐浴用の浴槽がある部屋もありました。
ただ、それ以外は不便そのもの。子供用の小さなベッドに2人で寝なければならず、腰が痛くなりました。
もちろん、テレビやほかの娯楽はないです。
私たちが入院したのは冬だったので室温は快適でしたが、夏は窓が大きいのでおそらく室内は激暑になるものと思われます。(その証拠?に扇風機が2台置いてありました。)
食事も、病人が食べるような気の利いた食事とは言えず…朝はパンとハム、昼は温かいものでしたが、夜はパンのみ。(付き添いの人の食事はない)
育ち盛りの娘にとってはさみしい食事でした。夫がフルーツやパン、お菓子を差し入れてくれたので助かりましたが、それがなければひもじい入院生活となっていたことでしょう。(食事制限がある方は病院の指示に従ってください。)
2日目の夕方ごろに、ハンガリー人の通訳兼看護師からおにぎりとみそ汁の差し入れがあったのですが、それが本当に心に沁みました。温かい食事って大切なんだな、と改めて実感。
日本とハンガリーの入院生活、違うところ
病院の設備や食事については上述のとおり、日本のほうがかなり恵まれているな、という印象です。
そのほか、午前中に医師の診察はあるものの、そのほかは基本放置されます。(娘の病状がその時は安定していたのもありますが。)
午後過ぎになり、娘の体調が思わしくなくなったので、私のほうから診察してほしい、と言いましたが、医師が来ることはなく、看護師が薬を持ってきました。(おそらく医師にアドバイスを仰いだうえだとは思いますが。)
ちなみに、ナースコールなんて便利なものはありません。
その後しばらくしてから医師が診察してくれましたが、日本のように待って入れば患者のことを気にかけてくれる、ということは(病状によるとは思いますが)ないみたいです。なにかおかしい、と思ったら躊躇することなく、医師または看護師に伝えることが大切だと感じました。
最後に
娘はおかげさまで順調に体調がよくなり、また血液検査の結果もよかったため、無事退院となりました。
我が家はハンガリーの公的保険に加入していないため、全額窓口で支払い(カード払い可)。合計57,000Ft(薬代は別途3,000Ftくらい)で、2泊3日にしてはかなり安かったです。
ただ、ハンガリーで入院するのは懲り懲りです…
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